九州南部や沖縄で梅雨入り宣言がされ、…
九州南部や沖縄で梅雨入り宣言がされ、そろそろ関東地方も、という状況だ。そのせいか、天気予報で雨は降らないとあっても、折り畳み傘が必要かどうか心配になる。
実際、会社の帰りに突然の雨に遭遇したことがある。濡れても構わないのだが、カバンの中に読みたい本を入れているので、雨は避けたいという気持ちが強い。
紙の書籍は水に濡れると、乾いてもごわごわになってしまう。それでも読めないことはないが、水で膨れ上がった本はページをめくるのも大変。梅雨といえばアジサイの花だが、私鉄沿線に少し咲き始めているのを見掛けた。もうすぐ、アジサイの花の帯が車窓から眺められるようになる。
アジサイは「咲き始めは淡色で、時がうつるにつれて濃い碧紫色になり、花期の終りには赤みをおびてくる」(稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』)ので、場所によって色合いが違って見応えのある風景になる。
アジサイには数多くの種類があるらしいが、気流子が知っているのはごくわずか。ガクアジサイが日本原産というぐらい。赤や青や紫の色彩が華やかなのに、アジサイから受けるイメージはどちらかといえば暗い。
やはり、梅雨のじめじめした暗い雨模様のためだろうか。アジサイには毒性があることはよく知られている。しかし、4月8日の灌仏会(かんぶつえ)に使われる「甘茶」は、アジサイの変種「甘茶」の葉を干して煮出した汁だという。アジサイといっても、意外と奥が深い。