「5千万年前『めだかの学校』の化石発見…


 「5千万年前『めだかの学校』の化石発見 259匹の群れ」。朝日新聞のデジタル版によると、淡水魚の稚魚らしい長さ1~2センチの魚が群れをなし泳ぐ様子が、そのまま化石となったものが、米西部で発見された。

 米アリゾナ州立大の水元惟暁研究員、城西大水田記念博物館大石化石ギャラリーの宮田真也学芸員らのチームが、先月発行の英王立協会紀要に発表したという。メダカの群れは、せいぜい数十匹だから、259匹は多すぎる。それでも、日本人であれば「めだかの学校」をすぐ連想するのだ。

 茶木滋作詞、中田喜直作曲の童謡「めだかの学校」は、かつては小学1年生の音楽の時間に習った。新しく教室で先生とともに過ごすようになった自分たちとメダカのイメージが重なるこの歌は、確かにピッカピカの小学1年生にふさわしい。

 理科の授業でも、確かメダカの雄と雌の絵が並べられ雌雄の魚体の違いを学んだ記憶がある。それほど、メダカは子供たちにも身近な生物だったのだ。

 しかし、今や絶滅危惧種に数えられている。音楽授業で習う歌も、子供たちが親しみと実感を覚えるものが望ましい。「めだかの学校」のような楽しくて微笑(ほほえ)ましい歌も、メダカの学校を実際見たことのない子供には、教えにくいだろう。

 日本の童謡や唱歌には、季節や自然が織り込まれたものも少なくない。歌い継ぐためにも、そのモチーフとなっている自然の保護が重要になっている。