「女性の話はとかく回りくどい」との印象は…


 「女性の話はとかく回りくどい」との印象は、男性にとって大方共通する。「だから何なんだ?」と聞き返したくなるケースも多い。何かの問題があるらしいということは分かっても、問題をどう解決すればいいのかが分かりにくい。

 が、これは女性の脳の働きとして自然なことらしい。黒川伊保子著『共感障害』(新潮社)によれば、話が回りくどいのは、女性の脳の「認識フレーム」の結果だ。

 フレームとは「枠組み」のことだ。人間の脳はなかなかよくできてはいるが、世界の全てを記憶することはできない。女性は女性として何かを選択し、他は切り捨てる。男性も男性として選択する。

 その結果、男女の間で認識フレームの違いが形成される。これは無論男女だけではなく、個性や地域などの違いにもよる。こうした中で男性の言語は「問題解決」を重視し、女性の言語は「共感」を求める。

 共感してもらうには一定の時間がかかる。だから話も長くなる。言語のあり方が男女で全く違っているのを互いに理解していないから、男女間で行き違いが生じる。

 共感を得るためのプロセスに時間がかかっても、そのことがお互いに分かっていれば問題解決につながりやすいと考えることもできる。一方、共感などという面倒な手続きなしに、事務的に物事を進める方が効率的だとも言える。どちらが優れているかと考えるのではなく、違ったパターンが並存している現実を認めることが必要だ。