ゴールデンウイークももうすぐ終わり。こう…


 ゴールデンウイークももうすぐ終わり。こう休日が続くと、きょうは何の日だったのか?と分からなくなることもある。ただ、きょうは「こどもの日」なので分かりやすい。昔から鯉幟(こいのぼり)や柏餅(かしわもち)などで祝ってきた記憶があるからだ。

 休みが終わると、仕事の毎日が訪れる。気持ちの上でも「五月病」にかかるなど鬱(うつ)な気分なりやすい。しかし、暦ではもう夏を迎えようとしている。落ち込んでも、初夏の光の中にいるとじめじめした感じはしない。気流子も大学生時代に五月病になった時期がある。それは受験というプレッシャーから解放されて、大学に入ったものの、次の目標を見つけられずにいたことが大きい。

 「水音も記憶の中にありて夏」(星野立子)。空も山も海も川も初夏の感じがする。山や海に行ってみたいという気持ちがあふれてくる。

 詩人の萩原朔太郎の弾むような「旅上」の詩が思い出される。「ふらんすへ行きたしと思へども/ふらんすはあまりに遠し/せめては新しき背広をきて/きままなる旅にいでてみん。」と始まる詩は、5月の朝の旅立ちを歌う。

 フランスまでは遠いが、国内でも野山の緑にあふれた自然に触れることはできる。車窓から見える山野には、豊かな木々や水田、若草があふれていて目を慰める。新茶摘みが終わり、これからは田植えなどが本格的になっていく。

 今年の春から夏への変化は、平成時代から令和時代への旅立ちに重なったと言える。