きょうは平成、明日からは令和の御代である…


 きょうは平成、明日からは令和の御代である。時代の変わり目に、月刊『Hanada』6月新元号の総力大特集テーマは「令和時代と皇室の危機」。<スクープ!>と銘打ったトップ記事は、今年1月3日付の小紙報道に関連する。

 元旦付朝日が伝えた「昭和天皇直筆原稿見つかる 晩年の歌252首」を追ったものだ。12点もの直筆原稿の写真を添えた記事は、御製に岸信介元首相の死を悼まれた3首があることに言及。

 昭和35年の安保騒動に際しての「岸首相の孤独な戦いへの深い同情を詠まれた」と。3首の発見で「はっきり言えることは、『国のたひらぎ』を詠われ祈られた昭和天皇だが、決して空想的平和主義者ではなかった」ことを示した。

 一方、7日付朝日の続報を「いわゆる戦争責任や靖國問題にそれとなく読者の関心が行くよう、巧みに印象操作が行われている」ようだと分析。

 その上で「リベラルな朝日が左側から光を当てるだけでなく、世界日報が保守の側から光を当て、結果的に偏(かたよ)りのない全体像を浮かび上がらせ」た意義を語った。

 昭和天皇にとって「祈りは最も重要なお務めであったが、それは漠然としたものではなく、日本で起きている現実の重要問題に御関心を寄せての祈り」であった。「国と国民の運命に責任を持たれる立場から、誰よりもリアリストたらざるを得なかった」と浅薄な「識者」が捉え切れないほど深い昭和天皇観を示した。筆者は小紙編集局長である。