「技術のマッチング(組み合わせ)」は近年の…


 「技術のマッチング(組み合わせ)」は近年の科学技術製品の特徴だ。スマートフォンは典型例で、いろいろな機能が付けられて世に出た。デジタル技術で操作する情報家電なども急速に普及している。

 マッチングは通信機器系だけではない。産業ロボットや最先端のNC(自動)工作機械、環境保全設備などの中には、思いも寄らなかった可動力を引き出し生まれた製品も少なくない。屋外に目を向けると、世界各国で開発が活発化している「空飛ぶ車」がある。

 文字通り、飛行機と車の両用を目指している。何でこんなものが要るのかといぶかる向きもあるが、砂漠や荒れ地をこまめに移動するのにとても重宝されそうだという。人工知能(AI)や最新のセンサー技術の集積、マッチングでコンパクト化が可能になった。

 これらの製品は今でこそ、大企業がビッグディールの対象として扱うようになっている。しかしマッチングに関するアイデアを出し、開発を手掛けたのは、大半が米国シリコンバレーのベンチャー企業だ。

 日本でも「空飛ぶ車」の開発をトヨタ自動車が支援しているが、その一方で、東京にあるベンチャー企業が参入を目指してきた。

 小型無人機ドローンなどを開発するA.L.I.テクノロジーズという会社で、地上から浮いて移動するバイク型の乗り物「ホバーバイク」を、2022年に本格販売する。大企業が当初、手をつけなかった技術だけに、注目したい。