「新元号『令和』のパッケージのバウム…
「新元号『令和』のパッケージのバウムクーヘンです」。横浜市の百貨店「横浜高島屋」の食品売り場では、製菓会社「ユーハイム」(神戸市)の販売員らが声を張った。
神奈川県小田原市の「鈴廣かまぼこ」は、焼き印を入れた「新元号かまぼこ」を販売。菓子メーカー「横浜文明堂」(横浜市)も、カステラの表面にホワイトチョコレートで新元号をあしらった。
日常品から企業・学校名まで令和を冠したものが次々と現れそうだが、これらを十把一からげに便乗商法というのも酷だろう。
祝賀ムードに包まれる中、新元号にあやかりたいというのは理解できる。七福神の中で商売繁盛をもたらす神様の恵比寿様にちなんで、いろいろな業種で店名を「えびすや」と付けたりするのも、こうした気持ちの表れだろう。
また、生まれた子供に、祖父や祖母の名前やその一字を拝借して命名し、親族の祝福を受けることはよくある。一事が万事、あやかるという行為は日常・社会生活の中に根強くあって、それが社会の伝統の継承という役割も果たしている。
海外にももちろん見られる。99番元素の名称「アインスタイニウム」は、物理学者アインシュタインにちなんで付けられたもの。最近、この元素のイオンの大きさが極端に小さくなる「アインスタイニウム・ブレイク」が日本の研究者によって発見された。「かの天才にあやかった特別の元素の何か新しい物理現象か」という声も学者の間で少なくない。