外国人労働者の受け入れを拡大する出入国…
外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が成立の見通しとなった。深刻な人手不足に対応するため、これまで認めてこなかった単純労働にも道を開くものだ。熟練した技能を身に付けた外国人は在留期間が無期限となり、家族の帯同も認められる。
事実上の移民政策との見方もある。第二あるいは第三の開国に匹敵する、日本社会の風景を大きく変えるような政策転換となる可能性がある。それにしては確かに野党が批判するように議論が十分尽くされたとは言えず、「生煮え」との批判は免れない。
とはいうものの、深刻な人手不足に対して他に有効な手立ては見当たらない。経済界は概ね歓迎している。安倍政権としては、来年4月から導入し、景気を支えていきたいところだ。
立憲民主党などは、外国人技能実習生の不当な扱いなどを指摘し、そういう実態を把握しないで法改正などとんでもないと反対した。労働者の味方、人道への配慮をアピールしたつもりだろうが、人手不足対策の代案を提示しないでは、結局反対のための反対で終わる。
見切り発車的な外国人材の拡大だが、今後起きてくるであろうさまざまな問題に、いち早く対処し、より精緻な制度にしていくしかない。
野党も法案が成立した後も既に終わったことと考えるのではなく、新しい制度が日本にとって有益で、外国人労働者にも喜ばれるものになるよう、建設的な批判と提言を続けるべきである。