米共和党の重鎮で元大統領候補のジョン…
米共和党の重鎮で元大統領候補のジョン・マケイン氏が亡くなった。「物言う与党議員」として知られ、トランプ大統領の外交や移民政策、医療保険制度などを厳しく批判してきた。その死によって、共和党サイドからのチェック機能が低下するのではないかとの声も上がっている。
ブッシュ元大統領(子)は「信念を持つ愛国者だった。私の友人であり、非常に寂しい」と声明。2008年の大統領選を戦ったオバマ前大統領も「最高の政治闘争を繰り広げた」と振り返り「より高い理想への忠誠心を共有していた」などとする声明を発表した。
しかし、トランプ氏は「マケイン上院議員の遺族に心からの哀悼の意と敬意を表する」とツイッターに書き込むだけだった。
トランプ氏は大統領就任前、マケイン氏について「英雄とされたのは捕虜になったから」と述べ物議を醸した。
マケイン氏のトランプ氏への批判が、私怨からきているとは思えない。人間だから感情的なものが加味されはするだろうが、筋は通っている。トランプ氏がロシアに融和的な態度で臨んだ今年7月の米露首脳会談も「悲劇的な過ちだ」と厳しく批判した。
マケイン氏は、素朴な愛国心とキリスト教的モラルをベースにした米国の保守派の良識を代表していたとも言えよう。また一貫して日米安保を重視し、この春には日米関係の発展に寄与した功績が評価され旭日大綬章を受けている。日本にとっても大切な友人を失った。