新潟市西区で小学2年の女児が下校中に殺害…
新潟市西区で小学2年の女児が下校中に殺害された事件はあまりにも痛ましい。新潟市教育委員会は市内の全小学校に、子供たちの登下校時に通学路に立ち安全を図るボランティアを募るよう要請した。これまでも見守りは行っていたが、夕方は手薄だったという。
2005年に栃木県今市市で下校中の小1女児が殺害された事件でも、その直後から、県レベルで各小学校にボランティアを呼び掛け、以来栃木県では朝夕の通学路の見守りを欠かさないという。
貴重な実践例であり、登下校時の子供たちを見守ることが直接、防犯につながるのは言うまでもない。しかしその間隙を縫うように子供に対する凶悪犯罪が続いており、もっと大きな視野での対策も必要だろう。
少子高齢化による人口分布の激変に伴い、社会・生活環境は大きく変化している。今回の事件でも、女児が行方不明になった地域は以前から住宅地ではあったが、最近は住民の高齢化で傍らの路上への人の出入りがかなり減っている。いわば子供が犯罪に巻き込まれるような“死角”が出来上がっていた。
全国的にこうした環境変化は少なくない。後知恵だが、この路上周辺に防犯カメラが一つでも設置されていたならば……と思う。
このようなことを考え合わせると、子供の保護には今日、自然災害と同様、国と自治体主導のきめ細かい対策が必要だ。国民が一丸となり、卑劣な犯罪を許さないための備えを強めることが求められる。