5月までに行われることになった米朝首脳会談…
5月までに行われることになった米朝首脳会談。金正恩朝鮮労働党委員長が「非核化」の意思を表明したため、トランプ大統領が提案に乗った。しかし核問題で米国や国際社会は、これまで北朝鮮に何度も騙(だま)されてきた。真意を見極める必要がある。
それでも、金委員長とトランプ大統領の政治手法から見ると、意外と「取引」が進む可能性もある。日本としては、あくまでも完全な非核化を追求する必要がある。その意味で、4月の日米首脳会談は重要だ。幸い、安倍晋三首相とトランプ大統領の個人的な信頼関係がある。
いずれにしても日本の外交力が切実に問われる場面に差し掛かっている。そんな時に明らかとなった森友学園をめぐる財務省の決裁文書の書き換えだ。エリート官僚のあきれた不正行為が、行政への信頼を大きく揺るがしている。
直接的には所管官庁のトップである麻生太郎副総理兼財務相の責任が問われているが、安倍首相が「深くおわびする」と陳謝したのは行政府の長として当然だ。
官邸前には「市民」を称する人々が集まって、鬼の首を取ったかのように安倍批判の気勢を上げている。その背景や妥当性も考えず、NHKが7時のニュースで報じている。麻生副総理の責任を飛び越えて、安倍批判に結び付けるところ、彼らの意図が透けて見える。
北朝鮮問題、憲法改正など日本の命運を決しかねない重大案件が眼(め)の前に控えている。安倍政治は最大の正念場を迎えている。