あすで発生から7年を迎える東日本大震災…


 あすで発生から7年を迎える東日本大震災。甚大な被害を受けた三陸地方の産業の柱である水産業、水産加工業の復活は、復興のバロメーターと言っていいが、今も売り上げの水準が震災以前に戻らず苦しんでいる企業が多い。

 風評被害、既存顧客の喪失、原材料の高騰、従業員不足などが、その要因だ。東北経済産業局が行ったアンケートによると、そんな中でも売り上げを震災前の水準以上に伸ばした事業者もある。その2割が新商品や新サービス開発で新しい顧客や販路を開拓した企業という。

 震災被害はピンチなどという次元ではなかったが、やはり伸びる企業はみな「ピンチをチャンス」に変えている。世界三大漁場の一つ「三陸ブランド」を掲げ、フィリピンやタイ、マレーシアなど海外にも市場を広げている企業グループもある。

 日本の漁業全体で漁師の高齢化や人手不足が深刻だが、東北地方では震災が追い打ちをかける形となった。人手不足は水産加工業も同様で、水産加工ロボットの研究が進められている。

 盛岡市の「いわて産業振興センター」は昨年5月、開発に着手し、サバの切り身の骨をロボットのアームを使って抜くことを目指している。

 人手不足解消のため、海外の留学生のアルバイト社員を大量に雇っている東海地方の水産加工会社の話を聞いたことがある。こうしたロボットの開発は、東北だけでなく、日本の水産加工業全体の救世主になるかもしれない。