ドイツで昨年度、興行収入ナンバーワンの…
ドイツで昨年度、興行収入ナンバーワンの大ヒット映画は「はじめてのおもてなし」というコメディーだ。来月13日公開される。題名にあるようにドイツ人の家庭がナイジェリア難民の青年を受け入れる話だ。
製作が始まったのは2015年の春。問題を抱える小リッチ層の家族を、深刻な問題に直面している文化圏の違う人と比較すれば面白いというアイデアからだった。
ドイツはこの年、100万人以上の難民を受け入れた。物語はハプニングの連続で笑いと涙を誘ったが、サイモン・バーホーベン監督は同年の9月、急に映画が現実味を帯びてきて、家族と青年との会話がかつてないエキサイティングなものだと気付いた。
一方、ハンガリーは15年、難民受け入れを拒否。彼らが中東から欧州を目指す“バルカンルート”上のセルビアとの国境にフェンスを設置した。この状況を扱った映画が来月27日公開される「ジュピターズ・ムーン」。
主人公はハンガリーに入ったシリア難民の少年だが、より重要な人物は、診察の場で難民から金を受け取って違法に逃している医師。脚本を書いたカタ・ヴェーベルさんが医師の家系で、医療に携わる人間の典型として登場させたという。
信念も情熱も希望も失った人物で、ヨーロッパを象徴しているかのようだ。が、難民の少年に出会うことで新たな目が開かれ、変わっていく姿が描かれている。さまざまな面で、難民は欧州に影響を与えているようだ。