日本海のわが国の排他的経済水域(EEZ)で…


 日本海のわが国の排他的経済水域(EEZ)で違法操業する北朝鮮の漁船に対し、海上保安庁の巡視船が放水して追い出している映像が公開されている。日本海のほぼ中央部にある巨大な浅瀬「大和堆」の付近という。大和堆は一番浅い所で水深236㍍。スルメイカなどの好漁場だ。

 北朝鮮の違法操業問題をきっかけに、大和堆という名前を知った人も多いのではないか。「日本海溝」であれば知っていても、普通の日本人で海底の地名まで知る人は少ないだろう。

 大和堆は1924年、水産講習所の調査船によって発見され、26年海軍水路部の測量船「大和」が精密測量を行って大和堆と命名された。結構昔に名付けられたのである。

 名前を国際的に登録するには、世界の海底地形名称の統一を図る「海底地形名小委員会」に提案して承認を得なければならない。普通は、その地形を発見した者が命名、提案する。

 2009年にも、日本は6件の海底地形名称を提案し登録された。香取海山、拓洋第4海山、拓洋第5海山、鬼界カルデラ、風神海山、雷神海山である。

 このうち、拓洋第4、第5は南鳥島付近にあり、二つとも海保の測量船・拓洋によって1985年に発見された。名称は測量船の名前に由来する。両海山では、コバルトリッチクラストなど豊富なレアメタル資源が確認されている。海底資源大国の可能性を秘めたこれらの地名はもっと知られていいのではないか。