「これが偏向報道の実態である」(16日付)…


 「これが偏向報道の実態である」(16日付)、「これぞまさに『フェイク(偽装)ニュース』だ」(20日付)。学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる10日の衆参両院の閉会中審査を報じた朝日や毎日などの記事に対する小紙「メディアウォッチ」の評価である。

 NHKの全7時間にも及ぶ生中継で、朝日などが何を報じ何を報じなかったのかは一目瞭然。なのに、そんなヒマな人はそうはいるまいと高をくくったのか、これを強行した。

 審査では「官邸の不当な関与」を言い募る前文部科学事務次官の前川喜平氏や加計学園誘致を進めた前愛媛県知事の加戸守行氏ら当事者が証言。ところが、両紙の記事では前川氏は大きく扱われても、加戸氏の証言はゼロ行だった。抹殺されたのだ。

 氏の「岩盤規制にドリルで穴を開けていただいた。ゆがめられた行政が正された」という発言はどこにもない。そのココロは「加計学園ありき」に沿わない証言など無視せよ、ということだろう。

 安倍政権批判の材料なら何でも、の共産党や民進党の主張に乗ったメディアが描きたいのは、政権の“ウリ”だった国家戦略特区での獣医学部新設に、理事長の“お友達”の安倍晋三首相「関与」の構図。それが無理筋だと示す加戸氏証言は、都合悪いことこの上ないに違いない。

 さて、昨日の安倍首相出席の衆院閉会中審査。加戸氏の証言をメディアがどんな扱いで報じるのか。眼(め)を凝らして注目したい。