私事で恐縮だが、梅雨の晴れ間を狙って京都…
私事で恐縮だが、梅雨の晴れ間を狙って京都見物をしてきた。しかし、この時期でも修学旅行の生徒や海外からの観光客で名所は混雑していた。2日間で、二条城、金閣寺、八坂神社、下鴨神社などを巡ってきた。
大政奉還150年の今年、二条城では正門「東大手門」の修復が完成し公開されていた。また、将軍と大名や公家衆との公式の対面所であり、大政奉還が表明された二の丸御殿の大広間の観覧に多くの人が集まっていた。
ほか、二の丸庭園や唐門など、約400年の時を経た絢爛(けんらん)たる桃山文化の遺構を見ることができる。1994年にユネスコ世界遺産に登録された二条城は、徳川家の栄枯盛衰と日本の長い歴史を見詰めてきた貴重な歴史遺産だ。
こうした中、京都出身の作詞作曲家で元中学社会科教諭の今澤雅一さんは、城内の在番武士たちが柱などに残した“落書き”を見つけ出し撮影している。
江戸から派遣された見回り武士たちは常時100人ほどいたようだ。将軍入城時以外は武士の“たまり場”であった御清所(現在非公開)の柱には「下立賣室町下ル武衡町先火起七ツ時此鎮化(火?)」の文字があり、室町で出火した“記録”が残っている。
西門(閉鎖中)の横柱には、門衛の武士たちによる武器や家禽(かきん)などの絵が重なるように彫られている。どの落書きからも、職務のため家族らと離れた寂しさを紛らわし、帰参の日を待ちわびる思いが伝わってくる。