新聞各社の東京都議会議員選挙戦序盤の世論…
新聞各社の東京都議会議員選挙戦序盤の世論調査では、自民党は小池百合子都知事の地域政党「都民ファーストの会」と都民の支持が拮抗していた。それが過去最低の23議席という歴史的大惨敗を喫したのは、長期政権が展望される「安倍1強」状況から出た「おごり」との指摘は間違っていまい。
自民党は国政レベルの不始末をかぶる形のオウンゴールで自滅した感が強い。おごりは自民党の宿痾で、一つは情報公開に消極的な姿勢という形でよく現れる。国政選挙4連勝となった昨年7月の参院選の際には、勝利を喜ぶ一方で党内外から、おごりを戒める声が上がっていた。安倍晋三首相も自ら「築城3年、落城1日」と気を引き締めたはず。
「加計学園」問題は成長戦略の柱の一つである特区制度をめぐる疑惑だが、しっかり調べれば法的に確たる問題となるとは言えないことが分かるはず。
それを関与を問われた側近らが説明責任を尽くさず、おごり体質が顔を出し問題を広げた。さらに、選挙戦終盤まで稲田朋美防衛相の失言など、閣僚や党幹部の不適切な言動が続き、逆風をあおったのでは勝てるわけがない。
都議会自民党は、改革を進める小池氏の「抵抗勢力」というレッテルを剥がせなかった。首相には、経年劣化で目立つ政権のおごり体質を抜本的に改め、丁寧に説明を尽くす姿勢での出直しが求められていよう。
「抵抗勢力」批判でここまできた小池氏には、お手並み拝見である。