文章を書く際、文頭は1字空けて段落を作る…


 文章を書く際、文頭は1字空けて段落を作るのが普通だ。だが、そうした書式が最近揺らいでいる、という新聞報道があった。LINE(ライン)やフェイスブックなどインターネット交流サイト(SNS)の普及が原因だと記事は指摘するが、文頭の1字空けをしないのは学校では昔からあった。

 ただ当時は、注意すれば直る、という程度の話だった。それが最近は、一部の若者だけではなく、多数の学生がそうした書き方をするようになったことが問題だ、という指摘はその通りだ。

 文頭1字空けは法律でも何でもなく、単なる習慣にすぎない。が、それなりの歴史を持ち、常識として定着しているものだから、実際に採点する側からすれば、1字空けていない場合は減点の対象になってしまう。

 「内容さえよければ、書式なぞどうでもいい」となれば、そこは採点者の責任問題になる、という程度の習慣は今もまだ残っている。

 学生も「SNSの文章しか読んでいない(本や新聞を読まない)」人間、という見方をされてしまう不利は避けられない。「1字空け」も「改行」も、常識とされている以上は守った方がいい、という結論は、今後しばらく動かないだろう。

 これとは別の話だが、なぜかテレビの字幕には、文章に不可欠の「、」や「。」がない。昔はあったのかもしれないが、ここ20~30年の間、見掛けたことがない。どの局もその点は同じだ。どういう事情があったのか、不可解な話だ。