都道府県魅力度ランキングというのが毎年…
都道府県魅力度ランキングというのが毎年発表される。2016年度は、北海道、京都、東京、沖縄の順。一方、45位は群馬、46位が栃木、47位が茨城だった。いずれも北関東だが、中でも茨城の最下位が印象的だ。
ランキングで気になるのは、魅力度と観光地としての人気が比例している点だ。「魅力にもいろいろの要素があるはず……」との疑問も残る。この調査はインターネットで行われている。若者の意見が強く反映される結果、産業のような地道なデータが軽視され、目立ちやすい観光の要素が前面に出てしまう。
茨城県の交通関係者の無愛想は有名だ。もともと他県からの客を歓迎しようという発想があまりない。このため、観光客の人気とは結び付かない。
一方、茨城県が行った県政世論調査によると、県民は県に愛着や誇りを持っていることが分かる。県民所得も高い。外部からの視点が中心の魅力度と、県民自身の評価との間には大きなギャップがあるようだ。
ランキングが上がらない理由について、茨城県の橋本昌知事は「謙遜」の文化が県民性としてあると説明しているが、納得だ。茨城県民は「骨っぽい、理屈っぽい、怒りっぽい」と言われてきた(『県人評判記』河出文庫)。実際は県北部の水戸の話なのだが、これもよく分かる。
全国からは「魅力に乏しい県」と見られても、県民自身は高い評価を下す。これまた「骨っぽさ」の表れだろう。「骨っぽさ」は「反骨」に通じる。