「松過(まつすぎ)のがらりと変る人通り」…


 「松過(まつすぎ)のがらりと変る人通り」(星野立子)。この時期は寒さが厳しく、関東地方では成人式の前後に雪が降ることも多い。今年はどうだろうか。そして、松飾りを取り除いた今は、正月気分も終わりである。

 俳句の季語の「松過」とは、正月気分が漂う松の内が終わった後の期間を指す。稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』に、松の内は「門松を立てておく間のことをいう。関東では元日から七日まで、関西では十五日までとするのがふつうである」とある。関東と関西で違っているのは、江戸時代からという説がある。

 もともとは小正月の15日までが松の内とされていたが、江戸幕府の意向で7日になったという。3代将軍徳川家光の月命日を避けたとか、明暦3(1657)年の振袖火事によって早められたという解説があるが、詳しくは分からない。

 だが、こうした影響は関西まで及ばなかったようだ。関東の武士文化に対する関西の商人文化という違いもあるかもしれない。いずれにしても、正月風景が地方によって違っているのは、さまざまな宗教が混在している日本らしいと言える。

 28年前のきょうは、元号が平成に改元された日だ。昭和64(1989)年1月7日、昭和天皇の崩御を受け、新しい元号を平成と決定。翌日の8日が平成時代の幕開けの日となった。

 新年の目標を立てたが、早くも三日坊主に終わったという人もいるだろう。きょうを新たなスタートの日と考えたい。