経済協力開発機構(ОECD)が今月6日に…


 経済協力開発機構(ОECD)が今月6日に公表した72カ国・地域の15歳(日本は高校1年)約54万人を対象とした国際学習到達度調査(PISA、2015年)では、日本は科学的応用力が2位(前回12年4位)、数学的応用力が5位(同7位)と順位を上げた。

 日本の上位維持は評価できる一方、目を見張るのはどちらもトップだったシンガポールだ。前回3位と2位から順位を上げ、加えて読解力の3分野ともトップを独占した。

 さらに、先月29日に公表された15年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)でも小学校の算数、理科と中学校の数学、理科4教科全てで1位。合わせて「7冠王」と驚異的な好成績である。

 その理由について時事通信(12月6日配信)は「シンガポールの教育に詳しいシム・チュン・キャット昭和女子大准教授(教育社会学)によると、同国は国家予算の2割以上を教育に投資している」こと。「小学校段階から能力別の振り分けがあり、1997年からは教育現場への情報通信技術(ICT)導入が本格化。最先端の中学校では紙の教科書を全く使わない授業」が行われているからと。

 「科学者のように証拠に基づいた結果を導き出す適切な方法を自分で考えられるという側面でも優れている」(ОECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長)との称賛も。

 いい面ばかりではなかろうが、詳しく調査・研究する価値はある。