ミス・ワールドのカナダ代表に選ばれた中国系の…
ミス・ワールドのカナダ代表に選ばれた中国系のアナスタシア・リンさんが昨年、中国・海南島で開催された世界大会に、中国政府の入国拒否で出場できなかったことは記憶に新しい。リンさんへの小紙ワシントン特派員によるインタビューがサンデー世界日報に載っている。
リンさんが入国を拒否されたのは、中国政府の人権侵害を批判し、気功集団「法輪功」への弾圧を描いた映画などに出演してきたから。リンさんに注目が集まるや、中国当局は中国に残る父親を脅迫して彼女の口を封じようとした。親族を“人質”にしたのだ。
しかしリンさんは、屈しなかった。「私の家族を取り巻く状況にスポットライトを当て続けた方が父の安全は守られると思い、堂々と訴えていくことにしたのです」。天は彼女に美貌だけでなく、勇気と賢明さも与えたようだ。
人質をとって脅迫し、何らかの目的を達しようとするのは、卑劣な行いだ。それを恥とも思わず、しばしば実行するのがテロリスト集団である。
中国当局が言論統制を一段と強化しているとは聞いていたが、家族を“人質”にとってまで政権批判の声を封じようとするとは。それほど状況が深刻化しているということか。
リンさんは来月、ワシントンで開かれるミス・ワールド世界大会に出場するという。中国当局に妨害されたリンさんが、晴れて世界大会に姿を現すのだから、注目度は何倍にもなるだろう。