空気の澄んだ冴え冴えとした夜に、イルミネー…


 空気の澄んだ冴え冴えとした夜に、イルミネーションがひときわ美しく輝いて映り、心を明るく温かく弾ませてくれる季節である。都庁をはじめ日本や世界各地のモニュメントが青色にライトアップされたが、残念ながら昨夜は雨か曇天であった。

 糖尿病啓発のための「世界糖尿病デー」の行事で、今年は「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」が採択されて10周年の節目を迎えた。ブルーは国連の色で、海と空の青色で世界はつながり、シンボルマークの輪が団結を表すという。

 日本の糖尿病患者は約950万人で、予備軍は減少傾向にあるものの約1050万人。初期は自覚症状がないため、気付くのは体重減少や喉の渇き、頻尿などの症状が出てから。

 血液検査でヘモグロビン(Hb)A1cの値が高いことが分かれば、食生活の改善や運動などで血糖コントロールができる。だが、治療を中断したり、放置したりすると、網膜症や神経障害など深刻な合併症が出て重症化する。

 世界では約4億1500万人が患者で、6秒に1人が亡くなっている病気だ。早いうちの対応で合併症を予防することが肝心で、理解を深める啓発が大きな意義を持ってくる。

 <この世をば我が世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思えば>とこの世の春を詠った平安貴族の藤原道長は、文献上で確認される日本最初の糖尿病患者と言われる。並ぶ者のない権勢よりも、健康第一である。