久しぶりに気持ちの良い秋晴れとなった昨日の…


 久しぶりに気持ちの良い秋晴れとなった昨日の東京・銀座。リオデジャネイロ五輪とパラリンピックのメダリスト87人のパレードに、祝福の80万人が詰め掛け、リオの感動・熱狂が再現された。

 少しでも近くで選手たちを見ようと、早朝から場所を確保するために来た人も少なくなかった。その気持ちはよく分かる。憧れの選手を実際に見て、直接おめでとうが言えるまたとない機会である。

 特にテレビ中継で、白熱する試合を手に汗を握りながら応援した選手には、自分も共に戦ったような気がして特別な思い入れがある。選手は選手で、応援への感謝を込めてメダルを披露する機会となった。

 五輪・パラリンピック開催中は、離れた場所にいながら思いは一つだった選手と国民。その両者が銀座の大通りで感動と喜びを分かち合った。

 他の国の事は知らないが、こういう凱旋パレードを行う国は珍しいのではないか。たまたま銀座に居合わせ、何事かと驚くフランス人観光客の「個人主義のフランスではこんなことは考えられない」というコメントがテレビで流れていた。確かに、この一体感を大切にするのが日本人なのだ。

 2020年東京五輪の会場や経費をめぐり東京都の小池百合子知事、五輪組織委員会、そして政府の間で考え方のズレが浮き彫りになってきている。3者のチームワークと一体感を早くつくることが、何はともあれ、大会成功の前提条件と思うのだが。