「雲あれど無きが如くに秋日和」(高浜虚子)…
「雲あれど無きが如くに秋日和」(高浜虚子)。秋らしい空をあまり見ていないが、10月の声を聞くとすっかり秋の気分だ。日が落ちて暗くなると、虫の声も聞くようになる。
稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』では「空はどこまでも青く、野山は紅葉に彩られ、草木はみのり、大気はひえびえと澄む。郊外の散策には最適の月である」となっている。
先日、福島に用事で帰省した折、タクシーの運転手が今年の天候異変で「山菜採りがだめになった」と話していた。例年だと、しばらく山菜採りのシーズンが続く。が、今年は暑い日が続いたせいか、山に入った時には山菜の期間が終わっていたそうだ。それでも、暇ができたらキノコ採りに行くつもりだとも。
マツタケなども採れるというので驚いた。しかし、その場所が限られているために、早く山に行きたいと落ち着かない様子だ。最近はクマもよく出るので、爆竹を必ず持参して行くという。
運転手によると、クマは出会い頭以外には、自分のテリトリーに入っているぞ、と事前に警告してくるそうだ。だから、それに注意すれば余程のことが無い限り襲われることはないとも。しかし、その音を聞き分けるのはなかなか難しい。
クマの他にも、東日本大震災以来、イノシシが増えて畑などの被害も多く、野生化したイノブタも見掛けるという。自然が豊かになっての繁殖ではないので、少し殺伐とした印象を受けた。