茨城県南部で路線バス(民営)に乗っていた…


 茨城県南部で路線バス(民営)に乗っていたところ「バスを急がせないで下さい」という趣旨の表示が車内に数枚貼ってあった。初めて見る光景でビックリした。

 あらゆる禁止の前提には、相応の現実があるはず。ビラを貼り出す以上は、この路線ではバスを急がせる乗客が一定程度、ある期間にわたって存在するのだろう。

 著名漫才師だった横山やすしさんが、タクシーを急がせた話は有名だ。横山さんも茨城県のケースも、乗客側に何らかの理由があったに違いない。

 バスの運転の仕方に何らかの問題があるのか。機敏に運転すればいいのにノロノロすることが多いので「電車の時間に間に合わない」ということなのか。故意にノロノロ運転するはずはないだろうに? とも思うが、普段利用するわけでもない人間には事情が分からない。

 ひょっとして、ノロノロ運転ではなく、別の面での不満が乗客にはあって、それがバスを急がせるという形で表れているのだろうか。ダイヤの問題、運行本数の問題、運転手の接客の問題など、いろいろ考えても、しょせん臆測の域を出ない。

 バス会社と乗客との間にコミュニケーションが欠けているのだろうか、とも思う。一般に茨城県民は、サービス精神が高い方ではないと言われる。そのあたりの円滑ならぬ関係が「バスを急がせないで下さい」という奇妙な表示に示されているようにも思われた。