今は夏山シーズンの最中で、今月11日、各地で…


 今は夏山シーズンの最中で、今月11日、各地で「山の日」イベントが行われたが、引き続き記念事業を行っている所もある。富士山、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父のある山梨県がその一つ。

 山梨県は全国有数の森林県で、1997年8月8日、「その恩恵に改めて感謝する契機」として「山の日宣言」をした。今年から祝日として「山の日」が施行されたことで、山梨の「山の日」は11日に移行。

 今月25日と26日に富士山で「山の日」親子登山教室が、同じ26日に富士山麓で「森林ふれあいウォーク」が、28日には甲府市でシンポジウムが開かれる。地元の山の魅力を伝えようというイベントだ。

 ところで登山を趣味としている人たちが挙げる「好きな山」は穂高岳、槍ヶ岳、剣岳、白馬岳、北岳、富士山。雑誌『山と渓谷』(2016年1月号)で紹介されたアンケート結果だ。8年前の調査でも上位6位まで同じ顔触れ。

 調査対象は読者1000人。一番多く登っている山の1位は高尾山(東京都)、2位塔ノ岳(神奈川県)、3位筑波山(茨城県)。回答者の半数以上が関東在住で、三つの山は近くて登りやすく、ハイカーに人気がある。

 雑誌『アルプ』の編集長として活躍した随筆家の串田孫一さんは、名著『山のパンセ』(実業之日本社)の函に「寂しい山へ、黙って登って下さい」と記した。アンケート結果を見ると、現代人の多くが好むのは寂しい山ではないようだ。