熱戦が続くリオデジャネイロ五輪の中継を…


 熱戦が続くリオデジャネイロ五輪の中継をテレビで見ながら、日本選手の活躍に一喜一憂し、勇気と感動を貰(もら)う日々が続いている。競技を終えたばかりの選手たちがマイクの前に立ち、インタビューにきちんと答えているのには、頭が下がる。さすが肉体面や技術面だけでなく、メンタルな鍛錬でも日本を代表する選手たちである。

 4年間の全てをこの大会に懸けて日々練習を重ねてきた。歓喜の中にある時はいいが、悔しさと失意の中でのインタビューは酷なようにも思われる。

 しかし、そういう瞬間だからこそ思わず口をつく、腹の底から出てくるような言葉がある。メディアはそれを期待している。

 競泳女子200㍍平泳ぎで金メダルを獲得した金藤理絵選手は「うれしいという気持ちと、ここまで待たせてすみませんという気持ち」。表彰式後、日本の応援席に目をやった時、目に涙が溢(あふ)れた。

 外国選手との正確な比較は分からないが、試合後の日本選手は、自己の成果を喜び、誇るだけでなく、自分を支えてくれた家族、コーチ、チームメートへの感謝の言葉が多いように思われる。手にしたメダルは、自分一人で獲ったものではないという気持ちだろう。

 もちろん誰よりも努力してきたのは自分だが、自分よりも支えてくれた人たちのことを思うのが日本人の良さだろう。ともに喜びを分かち合える人がたくさんいるというのは、素晴らしいことだ。