東京都知事選が告示され、21人が立候補を届け…


 東京都知事選が告示され、21人が立候補を届け出た。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏、元防衛相の小池百合子氏の事実上3氏の激突だ。鳥越氏は野党統一候補となり、自民は分裂選挙となった。

 争点のはっきりしない選挙である。初めから勝敗は政策論争以外のところにある、とでも言っているようだ。

 それにしても、告示前日に日本記者クラブでの共同会見に臨み、「基本的に出馬の意思は変わらない」と、都知事選への抱負を語った宇都宮健児氏の土壇場での立候補取りやめは何だろう。「後出しじゃんけん」ではなく、「後抜けじゃんけん」とでも言うべきか。

 今月投票の行われた参院選の公示直前、都内で立候補予定者と共に安倍晋三首相が街頭で演説するのを聞いた。宣伝カーの上でマイクを握った安倍首相の口から最初に出てきたのは、舛添要一前都知事の辞任についての都民へのお詫びの言葉だった。

 確かに自民党が推した候補が不祥事で辞任したのだから、お詫びも必要だろう。しかし、最終的に舛添氏を選んだのは一票を投じた都民だ。お詫びを聞いて面はゆく感じた都民もいただろう。

 政治資金問題で辞任した猪瀬直樹氏、そして舛添氏。作家、大学教授と出身は異なるが、ともにテレビ出演で顔を売り、政治の世界に出てきた人である。テレビからのし上がってきた候補の危うさに、そろそろ都民も気付いていいころだと思うのだが。