バングラデシュの首都ダッカで日本人7人を…


 バングラデシュの首都ダッカで日本人7人を含む人質20人が犠牲になったテロ事件の衝撃が収まらないうちに、今度は米国ダラスで惨劇が起きた。黒人射殺事件に抗議するデモ中、警備中の警官が狙撃を受け5人が死亡、容疑者1人も死亡した。

 世界の各地で相次いでテロや銃撃事件が起きるのを見て、いったいどうなっているのだろう、何かタガが外れてしまったのではないか、と暗澹(あんたん)たる気分になる人もいるだろう。

 バングラで起きたテロ事件では、犯人たちの素性が少しずつ明らかになるにつれ、暗い気分はさらに深まる。よく、テロを生む土壌をなくすために、貧困の克服や近代的な教育の機会を与えることが言われてきた。

 しかし、射殺された実行犯5人のうち3人は裕福な家庭の出身で、高い英語教育を受けていたという。問題は単純ではないようだ。

 バングラは近年、経済成長を続け工場労働者の雇用は拡大中だが、大卒者の就職先は少ないという。「恵まれた環境で育っていれば、挫折感も大きい」とダッカ大のジアウル・ラーマン教授は、高学歴者が過激思想に走る背景を分析している。

 テロ根絶の道は険しい。しかし、本当のテロとの戦いはそこにある。日本がバングラに多くの支援をしてきたことを、親日的なバングラの人々は知っている。「今回の事件では何と謝罪していいか分からない」という市民がいることを忘れたくない。