5月ごろから始まったWindows10騒動…
5月ごろから始まったWindows10騒動。「10」への移行をめぐって、あちこちで混乱が続いている。だがその割には、メディア上ではほとんど話題にならなかったのが不思議だ。特にテレビは終始冷淡だった。
「10」に移行すれば、ウイルスに対する耐性が向上する。おまけに移行は当面無料。悪い話ではない。では何が問題だったのかと言えば、要は説明が足りないのだ。
日本社会では、市役所や区役所が保育園を一つ造るとなったら、何度も説明会を行う。社会的影響力という点では一つの保育園建設よりもはるかに重大な「10」への移行なのだから、もっと説明があってもよかった。だが、パソコンの画面上では実際の移行手続きの話ばかりだ。
「よく分からぬまま移行手続きを実行した」というのが大方のケースだろう。当方もその一人だ。はやり言葉で言えば「説明責任」を十分に果たさなかったのだ。
コンピューターやインターネットの業界は新しく、競争が激しい。騒動の背景には、この業界の常識と古くから続くそれ以前の生活スタイルとの間のギャップがありそうだ。
ネットに慣れ親しんだ人の多い若い世代への働き掛けはそこそこ十分であっても、遅れて参入した年長世代への対処の仕方が不十分だった点は否めない。今回の騒動で見られたようなギャップは、今後もいろいろな分野で表面化することが十分考えられる。