フランス・パリ市内の凱旋門近くのモンソー…


 フランス・パリ市内の凱旋門近くのモンソー公園に雷が落ち、園内で誕生会を開いていた11人がけがをした。うち8人は子供で、子供を含む4人が重体になっている。

 直前まで晴れていたが、突然激しい雨が降り出したため、木の下に避難したところ、その木に雷が落ちたという。樹木などに落雷し、人に再放電する「側撃雷」による被害だろう。現場の混乱ぶりが目に見えるようだ。

 またドイツ西部の運動場でも、少年サッカーの試合終了直後に落雷があり、児童ら約30人が病院に搬送された。このうち審判の男性を含む3人が重傷を負った。ポーランド南部では下山中の男性1人が落雷の影響で死亡したという。

 詳しい状況は分からないが、ヨーロッパ各地で続けて起きた落雷事故だ。局地的な突然の気象状態の変化が、ほぼ同じころに別々の場所で起き、死傷者が何人も出るということは珍しい。

 地球温暖化が原因とみられる局地的豪雨が、世界的に増えている。その一方で、落雷の原因やメカニズムには、まだ不明な点が少なくないようだ。

 3年前の夏、東京・北区の荒川中州で釣りをしていた人たちが大雨で木の下に逃げ込み、落雷で1人が死亡、2人が重傷を負う事故があった。筆者も時々憩う穏やかな場所なので肝を冷やした。その時、1人軽傷だった男性は、木から3㍍以上離れた所にいた。とっさの判断が生死を分けるのが自然災害の特徴だ。