三菱自動車に続いて、スズキに燃費データ不正が…
三菱自動車に続いて、スズキに燃費データ不正が発覚した。不正のあったデータは、空気抵抗とタイヤの転がり抵抗で構成される「走行抵抗」の値だ。
スズキによると、国の規定通りの方法で一応、実測したことはした。しかし安定したデータが取れなかったため、室内で空気抵抗と転がり抵抗をそれぞれ測定し、机上で足していたという。
技術者は、実際の測定対象のモデルを作り上げ、その実験値を参考にすることはよくある。ただし、あくまで本物を分析するための模作であって、モデルの実験で済まして良しとすることはあり得ない。社内上部は否定しているが、無言の圧力があったのではないか。
1970~80年代、大学工学部学生の人気就職先の一つは自動車メーカーで、競争も激しく必死に勉強して入社し、車造りに情熱を捧げた。彼らの多くは今、引退しているが、現状を見る目は複雑だろう。
ただし、車造りも当時とは大きく違う。車は最先端技術を含む高度に技術化された機械になった。今では多くの技術者たちが、細分化された知識に基づいて生産する。車好きが車を造るという昔日の公式は必ずしも当てはまらない。
また以前は、燃費の問題は車の個性、快適さの追求という視点で研究された。ところが今日、車選びで、1ポイントでも低い燃費がいいという消費者のニーズが突出している。メーカーは熾烈な低燃費合戦を強いられ、翻弄されている。