東京・上野の国立西洋美術館で開催中の…


 東京・上野の国立西洋美術館で開催中の「カラヴァッジョ展」を観てきた。前売り券を買っていながら、なかなか行く機会がなかった。背中を押したのは、最終日が迫っていることとともに、国立西洋美術館が「ル・コルビュジエの建築作品」の一つとして、ユネスコ世界文化遺産への登録がほぼ確実となったことがある。

 上野公園は平日にもかかわらず、ずいぶんな人出だった。東京都美術館で開かれている「若冲展」を待つ人の列があり、待ち時間は2~3時間という。凄い人気だ。

 カラヴァッジョ展も、当日チケットの売り場の前には結構長い列ができていた。本邦初公開の「バッカス」や、ごく最近カラヴァッジョの真筆とされ世界初公開という「法悦のマグダラのマリア」など話題性も多い。

 そんなバロック絵画の魁となった画家の魅力もさることながら、世界遺産効果もあるのだろう。改めてル・コルビュジエの造った国立西洋美術館に関心が向いていく。

 建物の写真を撮っている人も見掛ける。普段は企画展のみを観(み)て帰る人が大半だが、常設展示場に足を運ぶ人も多かった。東京国立博物館では「黄金のアフガニスタン」という興味深い展覧会も開かれている。

 上野公園のように美術館や博物館が集中しているエリアは世界でも珍しいのではないか。上野の森美術館では、きょうから「ブータン」展も始まる。日本や海外の多様な文化を楽しめるのも大きな特徴だ。