2年半ほど前に熊本県を訪問された皇后陛下は…


 2年半ほど前に熊本県を訪問された皇后陛下は、県のマスコットキャラクター・くまモンを前に、蒲島郁夫知事に「くまモンさんはおひとりなの?」と質問されたという。当のくまモンもさぞ恐縮したろう。

 そのくまモン、地震後の活動自粛を終え、3週間ぶりに同県西原村の避難所に姿を現した。集まった避難者らと抱き合ったり、曲に合わせて踊ったりする姿はまさに復興のシンボル。子供たちは歓声を上げていた。

 くまモンやふなっしーのようなご当地ゆるキャラは、この10年ほどの間に全国自治体に広がり定着した。郷土愛あふれるメッセージがあり、子供からも大人からも愛されている。

 日本では以前、産業用ロボットの一つ一つが「太郎」「花子」と名付けられ、工場内で可愛がられた時期があった。自動車産業で始まり、あっという間に、その他の業種にも普及していった。工場全体が家庭、各員は家族で、ロボットもその一員だった。

 しかし1980年代末、技術開発の到達点が見え、重宝されなくなった。その後、その自動的機能は生活用に製品化され、市販されたが、趣味用品の域を超えられないでいる。

 今、隆盛のゆるキャラは、実はかつて各工場内で紐帯の役割を果たした太郎、花子の地域版ではなかろうか。地域おこしのために生まれた存在であり、地元の人たちからは大家族の一員のように親しまれている。日本独特の文化だろう。