♪夏も近づく八十八夜/野にも山にも若葉が…
♪夏も近づく八十八夜/野にも山にも若葉が茂る――。昨日の小紙に掲載された「きょうの詩歌」は文部省唱歌「茶摘」であった。八十八夜は立春から数えて88日目の日で、春から夏へ季節の移り変わりの目印とされる。
暦の上では、中国生まれの二十四節気ではなく、日本生まれの「雑節」の一つ。今年は月初めの1日がその日で、この日が過ぎると、農家にとってはそろそろ遅霜の心配をしなくてもよい時期の目安となる。
二十四節気の今年の立夏は、連休後半に入るきょうの憲法記念日、明日のみどりの日に続く5日のこどもの日。野に山に街に、生き生きとした緑と花が美しく輝き、爽やかな「緑のそよ風」に心躍らせる季節である。
例年、花は梅に始まってコブシ、桜から花水木とリレーして咲いていく。そのあと山吹、皐、ツツジと続くのだが、少し暖冬だった今年は桜のあと、息の長い花水木からツツジまでが一斉に花咲かせた感じ。
おかげで今はパステルカラーの紅、白、ピンクが空に浮かぶ花水木の花と、目を奪う皐やツツジの赤、白、ピンクの鮮やかな原色、こちらも黄色の原色の山吹が同時に楽しめる。それもこれも、若葉青葉の緑とのハーモニーを奏でているから。
緑への感謝を忘れず、その環境を大切にしていきたいものである。<庭先の山がかりたるつゝじかな>高浜年尾 <あらたうと青葉若葉の日の光>芭蕉