4月は学校の新学期や国・地方自治体や企業…


 4月は学校の新学期や国・地方自治体や企業などの会計年度が始まる。企業の就職試験を潜り抜けた新入社員はフレッシュマンとして人生のスタートをする。桜満開で迎える4月は何とはなしに心弾む一方で、新しい環境での生活に緊張と不安も付きまとう。

 フレッシュマンはどんな心構えで、何から始めたらいいのか。余計なお節介でも、新聞購読のススメをしたい。

 だいぶ前のことになるが、大手製薬会社に入った友人の息子から聞いた話である。最初に上司から言われたことは「社会常識をしっかり身につけるように。そのためには新聞を購読しなさい」ということだった。

 毎日、新聞を読んでいると世の中のことが分かってくると勧める人生の先達は多くいる。住友商事人事部長の遠藤貴也さんは「商社の人間が新聞を読むのは当然のことです。日本との関係を意識しながら海外のニュースを読む習慣をつけると、さらに新聞が面白くなる」と(読売平成23年3月1日付「人事の“眼”」)。

 作家の曽野綾子さんは「私が会社の社長だったら新聞を読まない社員は採用しない」(産経同22年5月28日付「小さな親切、大きなお世話」)と書く。

 デジタル社会の進行で他人のことが眼中にない振る舞いの人が増えていると警告する読売・編集委員の芥川喜好氏は「他人が見えていれば良い距離がとれる」。新聞はその「最良のテキスト」(読売同22年2月27日付「時の余白に」)だと。