週末の一日、JR仙山線で仙台から山形に、…


 週末の一日、JR仙山線で仙台から山形に、山形からは米沢を経て福島まで山形線(奥羽本線)で巡った。東京では桜の開花宣言が出て月末から来月初めに満開になろうというこの時期になると、まだ雪国では残っている雪景色を見たくなる。

 昨年は上越線の小出駅(新潟・魚沼市)から只見線大白川駅までの車窓から雪の絶壁や雪山連山の絶景を楽しんだ。今年は山間を抜ける中でもっと間近な雪景色をと思い、このコースを選んだのだが、空振りであった。

 仙山線の宮城県(仙台市)と山形県(山形市)の県境駅であり市境駅となる奥新川、面白山高原でも雪は山中のくぼ地に少し残るだけである。ならば、山形線に。山越えのスイッチバック遺構が残り、スノーシェルターに覆われたホームの峠駅(山形・米沢市)あたりならばと思ったが、こちらも期待外れ。

 例年ならこの時期でも白一色となる山間の窓外風景が、今年は谷と日の当たらない斜面に少しばかりの雪。雪景色と言うにはほど遠い風景である。

 車内で相席した地元の年配者は「暖冬で今年は50年ぶりの記録的に雪の少ない年でした」と言う。雪が少ないことは、夏場の渇水期に影響し「水田の水が心配だ」と心配顔。

 東京では、雪が少し積もっただけで交通や生活が混乱して嫌がるのに、地方の雪景色にはのこのこ見物に出かける。少し後ろめたい気持ちもあったが、雪もコメ作りに役立つことをひとつ学んだ。