日本の祭りは多種多様で、その土地、その季節…


 日本の祭りは多種多様で、その土地、その季節によって千変万化する。そこには不思議なエネルギーが渦巻いていて、人間と自然が一体化している。これに魅了されたのが水墨画家の傅益瑤女史だ。

 母国中国にあった祭りは節句だけ。1980年に来日して制作を続けてきたが、一貫して追ったテーマが日本の祭りだった。現在、東京・新宿駅西口ロータリー前のプロムナードギャラリーで「日本の祭絵展」を開催中だ。

 「八戸えんぶり」「穂高神社御船祭り」「那智火祭り」など代表作16点を展示。ギャラリーは通路に面して、通行人たちが足を止めて見ていく。昨年はNHKの番組に3度出演しているので、テレビで観た人もいるのだろう。

 益瑤さんの父親、傅抱石は近代中国で最も著名な画家の一人で美術史家でもあった。34年に日本に留学し、帝国美術学校(現・武蔵野美大)で東洋美術学者の金原省吾に師事した。

 益瑤さんも来日してこの大学に学んでいる。親子2代にわたって日本との交流を深めたことになる。父親が特に好きだったのは横山大観。「屈原」など同じテーマの作品を制作している。

 中国であまり描かれてこなかったのは人物を中心とした歴史画。しかし、父親はたくさんの人物画を残した。益瑤さんが祭りで描いているのも人間。「躍動する人間の動きを瞬間的に表現する上で水墨画は最も適しています」と語る。26日まで。