冬の季語の一つに「冴ゆ」がある。寒さが…
冬の季語の一つに「冴ゆ」がある。寒さが厳しく、空気が澄み渡る状況を指している。
今冬、東京地方で「冴ゆ」というほどの寒さ、凍り付く空気を感じたのは、1月下旬になってからだった。6㌢ほどの積雪があった翌日、荒川の土手に立つと、川面がきらきら光り遠方の景色が間近に迫ってきたのを思い出す。
毎冬12月末ごろから感染者が増えるインフルエンザが、この冬は1月下旬から広がったのは、正月から暖かな日が続いていたことと無関係でないようだ。その分時期がずれ、ここにきてピークを迎えている。
厚生労働省は19日、全国約5000の定点医療機関からの8~14日の報告を発表。インフルエンザの患者数は1医療機関当たり39・97人(大流行を示す警報レベルは30人)となり、全国の患者は推計約205万人だった。4都道県で前週より患者数が減るなど、鈍化の兆候も見られるという。
直近5週間で検出されたウイルスは2009年に新型として流行したA型が多く、ついでB型。その後「春一番」が吹いた地域も多いが、日中に気温が上がっても夜にかけて冷え込むなど温度差の大きい日が断続的に続いており、予防のため十分注意が必要だ。
天候不順や暖冬など気候の変動が、感染症の流行にどう影響するのか、それほど定かでないようだ。しかしジカ熱の感染拡大などを見ても、こうした影響を軽く考えずに研究を進めることが欠かせない。