「山の日」を国民の祝日にしようという…


 「山の日」を国民の祝日にしようという「全国『山の日』制定協議会」の設立総会が今月、東京都内で開かれた。同協議会会長に就任したのは、かつて東大スキー山岳部で活動した谷垣禎一法相。

 「一人でも多くの人に山との関わりを考えてもらえる日にしたい」と呼びかけた。谷垣法相は日本山岳ガイド協会会長を務めており、4月に超党派の国会議員連盟を発足させた際にもその重要性を強調。

 この機運を盛り上げようと、このほど長野県松本市で開かれた「岳都・松本 山岳フォーラム」でも話題に取り上げられた。31府県ではすでに山や森に関する記念日や月間を制定していて、協力を求めていくという。

 この運動は2009年秋、日本山岳会によって始まり、10年4月に日本山岳協会、日本勤労者山岳連盟、日本山岳ガイド協会、日本ヒマラヤンアドベンチャートラスト(HAT-J)を加えて、「山の日」制定協議会が発足。

 その声明文でこう語る。「『山の日』は、日々の生活と文化に結びついた山の恵みに感謝するとともに、美しく豊かな自然を守り、育て、次世代に引き継ぐことを国民のすべてが銘記する日です」。

 山の恩恵を次世代に引き継ぐことができるかどうか、今、試練にぶつかっている。絶滅危惧種が増え、植物がシカに食い荒らされ、荒廃の進んでいる所が各地にある。古里の山に思いを寄せる日がなくてはならない。