国産初の小型ジェット旅客機MRJの初飛行が…


 国産初の小型ジェット旅客機MRJの初飛行が成功した。一部マスコミの論評では、MRJ本体の部品の約7割がコストベースで外国製だということで、「国産」への疑問を投げ掛けていたが、立派な国産機だ。

 何万点もある航空機部品で実績あるメーカーは今日、いくつもの国にある。それを選別し、一つの製品にまとめ上げたのは三菱航空機だ。

 「予想以上に時間を要したが、ゼロからのスタートでよくここまで来た」(森本浩通社長)のは念入りな精査、設計のためだ。受注数は現在407機で、2017年4~6月に全日空への初号機納入を目指している。もっとも、エンジンが米国製なのは悔しいが……。

 米国は従来、宇宙開発などで国家目標を定めて、巨大な投資をし優秀な人材を集めてきた。他国の追随を許さないまでに国が力を入れる。技術寡占の弊もあるが、優秀な技術が生まれてきた。

 一方、わが国ではこのほど「行政事業レビュー」が行われた。民主党政権時代の事業仕分けのように「1番じゃないといけないのか」という的外れな批判は出てきていないし、河野太郎行革相が鋭い指摘をしている。

 ただ物足りなく思うのは、こうした検証は骨太な国策の下で行われるべきだが、それがはっきり見えてこない。資源小国のわが国が、今後も大国の一つとして生き残る道は、技術立国をおいてほかにないと思われるが、その意気込みが今一つ伝わってこないのだ。