今年の交通事故死者数が3000人を超えたのは…


 今年の交通事故死者数が3000人を超えたのは今月8日である。これで政府が掲げた「2015年までに3000人以下とする」という目標(第9次交通安全基本計画・15年度まで5年間)は達成できないことに。

 11年3月に決定した第9次基本計画は「(交通死者数を)3000人以下とし、世界一安全な道路交通を実現する」高い目標を設定した。これを目指して昨年までの4年間で、死者数が4000人を切るまであと一歩の4113人まで連続して減らしてきた。

 今年は目標の3000人以下にはなお遠くとも、昨年まで14年連続で達成してきた交通死者数の対前年比減少を続け、3000人台入りが期待された。ところが、その前に交通死者数の15年連続減少達成に赤信号が点滅し出している。

 今年上半期(1~6月)の交通死者は1893人。昨年同期より32人減は、3000人台への期待も抱かせた。

 ところが下半期(7月~12月)の9月までの3カ月は、月ごとの前年同期比が一転して増加傾向に変わった。7月333人(8人増)、8月328人(26人増)、9月351人(6人増)と連続して増加。このため上半期の減少数を食いつぶした。

 9月末までの交通死者数は前年比8人増の2905人。3003人となった今月8日までだと、昨年同期と比べ13人多くなった。今年は残る3カ月弱が勝負。交通死者数連続減が途切れるかもしれないピンチなのである。