参院平和安全法制特別委員会の鴻池祥肇委員長…
参院平和安全法制特別委員会の鴻池祥肇委員長(自民)は、安全保障関連法の成立を受け「感無量だ。備えあれば憂いなし。日本の将来を安全にしなければいけないし、日本の国柄というか文化や伝統を守っていく一歩だ」と。
日本が歴史上、一度も侵略されたことのない事実は、国民の生命や財産、そして日本の伝統や文化を守るため、先人が「備えあれば憂いなし」の実践に知恵を尽くした証しでもある。その教訓は、われわれの日常では「火の用心」「まさかの時を考えろ」という言葉に表れている。小さいころ、親に口を酸っぱくして言われた覚えのある人は多いはず。
安全保障に関しては、何か特殊な分野であるとして、真正面から取り上げるのをタブー視する時代が戦後長く続いた。冷戦時代も結果的にはそうだった。
既にこうした風潮は弱まり、安保論議は盛んになった。しかし今回の議論でも、他国の脅威には目をつむり「侵略などあるものか」とうそぶく姿勢が野党の中に見られた。極めて遺憾だ。
中国の強引な海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発などで、わが国を取り巻く安保環境は厳しさを増している。今後も他国の侵略やテロへの対策を強化していく必要がある。
国民の多くは各々の立場で安保のための役割を担い、そのためのコストを支払うことに疑問を感じていないはず。その国家への思いを政治はすくい上げるべきだ。