日本の河川は急流が多く、大量の雨が降った…


 日本の河川は急流が多く、大量の雨が降った直後、一気に水かさが増し氾濫することがある。さらに今日、地球温暖化の影響などで、集中豪雨で被害が生じる可能性が列島のどこにでも出てきた。

 その一方で、雨が降らないと水筋は細くなり、干上がるケースも少なくない。マンションの乱立などで水需要が急増した地域では、地下水が払底するという事態も見られる。

 水に恵まれていながら水不足に悩まされ、他方では洪水にも注意しなければならないという深刻な状況だ。昔から「水は天からもらい水」と言われてきたが、今や、水のコントロールが危機管理の重要な部分になってきている。

 政府はこのほど、各省庁の水関連施策の方向性をまとめた「水循環基本計画」を閣議で決定した。この計画は昨年施行の水循環基本法で策定が義務付けられたものだが、渇水や水害に対処するため、河川、湖沼などの流域ごとに、国や自治体、企業などで構成する「流域水循環協議会」の設置を求めている。

 水質汚染防止や地下水の保全などに関する対策も求められる。つまり、河川の管理は流域の利害と結び付いているのだから、地元や民間がもっと関与すべきだと総力戦を要請しているのだ。

 明治以降、河川は政府や自治体によって管理され、全国的に堤防工事がなされて経済発展に寄与してきた。今後はさらに地域に密着したキメの細やかな防災事業が必須になる。