安倍晋三首相がウクライナの首都キエフを…


 安倍晋三首相がウクライナの首都キエフを訪問した際、出迎えたポロシェンコ大統領のマリーナ夫人の上着は、白地に左右の袖口と胴回りに赤いベルト風のアクセント、スカートはマゼンダピンクの赤一色。もちろん日本の国旗「日の丸」をイメージしたものだ。

 片や安倍首相が着用したネクタイは、青空と黄色の小麦畑をイメージしたウクライナ国旗の青黄2色の縞柄。現地メディアは「場に適した2人の服装が目を引いた」と伝えた。

 当の大統領が青黄の縞柄ネクタイを愛用しており、昨年の大統領選でも着用した。日本側はこうした情報を事前に得て、外交の場で生かしたのだろう。

 これ見よがしでは興ざめだが、さりげなく見せ、なかなか洒落て効果的なエールの交換だった。国旗のデザインや色彩にはその国の特色が反映されているから、相手国の人たちに強い印象を残すことになる。

 ただ「『日の丸』は、シンプルで対称的な位相のため、案外その意匠を生かすことは難しい」(服飾デザイナー)とも言われ、今回、マリーナ夫人側により苦心があったのかもしれない。

 日本国内でも、最近は生活の場で、服飾品だけでなく、国旗のデザインを生かしたアイテムを色々と見掛ける。若者は、国旗は儀式の時にはためかすものという既成概念を易々と打ち破っているようだ。国旗を日常に生かそうとするのは、親しみがあってこそ。どんどん利用すればいい。