ネパール中部で起きた大地震で、世界最高峰…


 ネパール中部で起きた大地震で、世界最高峰のエベレスト(8848メートル)では大雪崩が発生して約20人が死亡。しかしベースキャンプにいた約800人は登山を続行したという。

 この大地震で地質研究者らが関心を寄せたのは、標高が変化したかどうかだ。小紙「エベレスト標高変わらず?」(4月30日付)では、ニュージーランド政府系調査機関がまとめた研究者らの見解をリポート。

 豪アデレード大のサンディ・スティアシー教授は「数メートル以上変化した可能性は低い」とし、一方、英エディンバラ大のイアン・メーン教授は「理論的には高くなるはずだ」と述べるが「ごく小幅な隆起にとどまるだろう」という。

 ところでこの山が世界最高峰だと判明したのは1852年でインド測量局の測定による。名前の由来となったジョージ・エベレストは前任の測量局長官で、この地域の大三角測量網を完成させて地球回転楕円体、ジオイドを算出。

 これによりヒマラヤ高峰の正確な高度の測定が可能になった。この時の計算では8840メートルと算定されたが、1955年、従来よりも近距離から測ることによって公式の8848メートルが得られた。

 だが他にも異なった標高が報告されている。これはジオイド、つまり地球を包んだ平均海水面が実際には不規則な形をしているからだ。今では人工衛星による測定など新しい方法が生まれて、将来、定説が覆される可能性もある。