日の目を見なかったボツ原稿の束の重みで、…


 日の目を見なかったボツ原稿の束の重みで、プラスチック製の原稿カゴがしなっている。紙面に掲載されなかった記事であるが、その中からいくつかを取り出した。――愛知県あま市の県道で、近くの〇〇さんの次男(1)が幼稚園の送迎バスにひかれ、搬送先の病院で死亡。

 先月末の記事は、次男が母親と一緒に、バスに乗る兄(4)を見送った際の事故だったことを伝えている。――東京・新砂(江東区)の交差点では、自転車で横断歩道を渡っていた小5(11)の男児が左折してきたダンプに巻き込まれて死亡した。

 3月24日に起きた事故で、記事は城東署が「容疑者(運転者)の左折する際の確認不足が原因」とみて過失運転致死容疑で調べていると書く。

 同じような記事が他に二つ三つある。マイクロバスやトラック運転者の注意不足から、死角に入った子供が犠牲になる輪禍が今年は少し多い気がする。

 1年の3分の1を過ぎた今年4月末までの全国の交通事故死者は1291人で、昨年同期比で5人多い。月ごとの集計でも2、3、4月はひとケタの微増でも昨年より多い。そんな中で昨日から始まったのが「春の全国交通安全運動」。

 「子供と高齢者の交通事故防止」で最終日の20日に「交通死者ゼロの日」を目指す。昨年の交通死者4113人未満と15年連続の前年比減の達成は、まさに正念場である。「外出は 明るい笑顔と 反射材」は今年の交通安全標語の一つ。