連休を利用して北陸新幹線の開業に沸く石川県金沢市を…


 連休を利用して北陸新幹線の開業に沸く石川県金沢市を訪ねた。2時間半ほどの新幹線の旅は実に快適だった。かつて上野を夜の9時頃出発して翌朝6時頃金沢に着く急行「能登」や寝台特急「北陸」を利用した気流子にとっては、夢のような感じだ。

 帰路、金沢を出て富山県の砺波平野に入ると、広々とした田園にカイニョと呼ばれる屋敷森に囲まれた家々が点在する散居村の風景が目を引く。そして富山平野では、右手に雄大な立山連峰のパノラマが広がる。

 立山三山、剣岳などが連なる姿は、いつ見ても感動的だ。その神々しい山々の麓には広々とした平野が続き、田植えを前にした田んぼにはたっぷりと水が張られている。その水も、もとは立山連峰の雪解け水である。豊かな平野もこの山々があればこそだ。

 立山連峰と富山平野の関係が改めてよく理解できたのは、新幹線のルートが在来線より内陸部を通っていることと、高架式となっているためだろう。

 ミネラル分をたっぷり含んだ雪解け水は富山湾に注ぎ込み、それがまた豊かな海を育てている。夜、神秘的な青い光を発する名産のホタルイカやシロエビも立山の恵みと言っていい。

 上越に入ると、黒姫山、妙高の特徴ある山容がまた目を楽しませ、長野県軽井沢沿線では別荘地の瀟洒(しょうしゃ)な風景が続く。変化の多い地形、風景を眺めたことも、乗車時間を短く感じさせた理由の一つだろう。