賜杯は千秋楽までもつれ込んだ大相撲春場所。…
賜杯は千秋楽までもつれ込んだ大相撲春場所。日馬富士の渾身の攻めを半身の持久戦で何度もしのいだ末に制し、終わってみれば14勝1敗の独走である。大鵬に並ぶ2度目の6連覇で、自身の最多記録をさらに伸ばしV34とした白鵬。
新聞記事から。「白鵬が前人未到の道を突き進み、春場所を形容する『荒れる』という言葉を吹き飛ばした」(朝日23日)。「今場所こそ照ノ富士が活躍したものの、白鵬が他力士と比べて圧倒的に強いことは確かだ」(毎日・同)。
場所中、報道陣には沈黙を通した。「初場所後に審判の判定を批判。大横綱にふさわしくない言動で物議を醸した。周囲の雑音を『優勝』で封じたいという意地が、集中力を支えたようにも」(小紙・同)。
久々に口を開いた昨日の会見で「(相撲だけに集中したかったのか、の問いに)まあ、そうだね。思いはたくさんあるけど、伝わらない」と答えている。批判発言では「親方を通じて北の湖理事長と話した上で終わったこと」と言う白鵬の認識にも一理ある。
テレビの優勝インタビューで「色々騒がせましたけど」と切り出したあと言葉に詰まると、大阪のファンから温かい声援を受け「ま、頑張ります」と結んだ。
不甲斐ない大関を尻目に、逸ノ城、照ノ富士のモンゴル次世代が次を狙う。「若手の台頭が垣間見えた春場所。無人の荒野を歩く横綱の新たな活力になるに違いない」(読売・同)。大横綱・白鵬の1強時代は続く。